矯正歯科
矯正治療は美しさのために行うイメージが強いですが、
それだけでなく正しい噛み合わせであることはお口の健康のために非常に重要なことです。
矯正治療のメリット
- 口元のコンプレックスが解消され、笑顔に自信がもてる
- 歯列が整うことで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のコントロールがしやすくなる
- 咀嚼しやすくなることで、身体全体の健康にも繋がる
01子どもの矯正治療
乳幼児期の矯正治療(4歳頃〜)
乳歯列期の反対咬合に関しては、成長とともに治療が難しくなることが多いため早めの治療が必要になります。
日中および就寝時に取り外し可能なマウスピース型の装置を使用します。
ただし、改善した場合でも成長により反対咬合が再発する恐れがありますので、継続した経過観察が必要です。
混合歯列期の矯正治療(6歳頃〜)
成長期に行う矯正治療(Ⅰ期治療)です。
成長発育をコントロールできるのは子どもの時期だけなので、上下のあごの骨のバランスを整えることが主目的となります。
あごの成長がうまくいかないと食事や発音、顔の形に影響が出る場合があり、口呼吸や指しゃぶりなどのお口に関する癖なども、お子さまの歯ならびや成長に影響を与えます。
骨格や習癖の問題点が改善するようにアプローチを行い、永久歯が生え揃うまでがⅠ期治療となります。
最近のお子さまの歯並びや骨格の状態は、Ⅰ期治療のみならず、仕上げの治療(Ⅱ期治療)が必要になることも多いですが、早期に問題点にアプローチできるメリットも大きいです。
- 子どもの矯正治療のメリット
-
- 成長期に治療することで、あごの成長方向や大きさにアプローチできる
- 永久歯が埋伏していたり誤った方向へ萌出しようとしている場合に早期発見・アプローチできる
- 将来的な永久歯抜歯の必要性、抜歯の本数が減る可能性が高くなる
- お口周りの筋肉や舌の使い方などが間違っている場合に修正しやすい
- 口元のコンプレックスの解消
- 子どもの矯正治療のデメリット
-
- 永久歯が生えそろうまで管理が必要なので治療が長期間になる
- 永久歯が生え揃った後に、全体矯正が必要になる場合がある
- 取り外し式の矯正装置が多いので、装置使用の協力度によって治療結果に差が出やすい
- 矯正装置によって歯磨きが難しくなるので、虫歯や歯肉炎になりやすい
02大人の矯正治療
すべての歯が永久歯に交換し、成長終了後に行う矯正治療(Ⅱ期治療)です。
現在の歯ならびやかみ合わせが気になる方は、是非一度当院へご相談ください。患者さまそれぞれにあった方法をご提案させていただきます。
また、矯正治療開始前にはお口全体の健康状態(むし歯がないか、歯周病に罹患していないか等)も検査させていただきますので、必要に応じて他の歯科治療も並行して行うこととなります。
表側矯正
歯の表面に装置を取り付け、ワイヤーの弾性を利用して歯列を整える表側矯正はさまざまな矯正治療方法の中で最も歴史の長いもので、治療的にも最も確立されております。全ての症例に対応し、非常に細かい歯のコントロールが可能なため良好な治療結果が得られます。当院では装置がより目立ちにくいセラミック製のブラケットを使用しております。
- メリット
-
- 金銭的な負担が他の装置と比較して抑えられる
- 適応できる症例が広い
- ブラケット間の距離が大きいので歯の移動やコントロールがしやすい
- デメリット
-
- 他の矯正装置と比較して、装置が目立つ
- 歯磨きしにくいため、虫歯になることがある
裏側矯正
当医院では、3Dスキャナーでスキャンしたデータを用いて、CAD/CAM技術を応用して作製されるカスタムメイドリンガルブラケット装置と呼ばれるIncognitoを使用しています。
ブラケット自体を個人に合わせて作製される分、従来のリンガルブラケット装置よりも発音の問題や違和感が大きく改善されています。
しかし、その分材料費が高額になることや、ドイツで作製されているため納期に時間がかかること、日本では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていないといった留意点もあります。
ただし、米国やカナダでは医療機器として承認されており、これらの国における添付文書では重大な不具合報告の記載はありません。
- メリット
-
- 矯正装置が最も目立ちにくい
- 唇を閉じやすいので吹奏楽などの楽器の演奏への影響が少ない
- 表側矯正と比較して虫歯になりにくい
- デメリット
-
- カスタムメイドブラケットのため、コストがかかる
- 発音不良や舌に口内炎ができやすい
マウスピース矯正(インビザライン)
当医院では、米アラインテクノロジー社が提供するインビザラインを使用しております。
マウスピース型矯正は、裏側矯正と同様に目立たないことが特徴ですが、さらに取り外しが可能という大きな特徴があります。
ただしその一方で患者様自身の管理となるため、協力度によって治療結果が変わることや、適応症が限られるといった留意点もあります。
また、インビザラインは、日本では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていないため、承認薬品を対象とする医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
- メリット
-
- 目立ちにくい(歯の表面にアタッチメントと呼ばれる装置がつきます)
- 取り外し可能なため、お口の中の清掃がしやすい
- 金属アレルギーの方でも安心して使用できる
- デメリット
-
- オーダーメイドで海外でマウスピースを作製するので、コストがかかる
- 患者様の装置使用の協力度が治療結果に影響する
- 適応症例に限りがある
部分矯正
部分矯正とは、歯の全体に装置を付ける全体矯正とは異なり、歯並びや噛み合わせに問題のある部分とその周囲の歯の数本に部分的に装置を付けて歯を動かす方法です。
前歯の矯正だけでなく、奥歯の噛み合わせの矯正や、補綴(かぶせものやインプラント等)の前処置、むし歯治療の前処置として行う場合もあります。
ただ、数本のみが気になる場合でも原因はさまざまなので、部分的な矯正治療のみで治すのは困難な場合もあります。治療が可能かどうかはお口を拝見してお話させていただきますのでぜひ一度ご相談ください。
- メリット
-
- 全体矯正と比較して費用を抑えやすい
- 全体矯正と比較して治療期間が短い
- デメリット
-
- 適応できる症例が限られる
- 全体矯正に比べて仕上がりに限界がある
矯正治療の流れ
-
①矯正相談
まずは無料相談にて、治療内容・期間・費用などお気軽にお尋ねください。
矯正治療は期間も長く、費用も高額なので納得いただくまでじっくりとご検討ください。 -
②精密検査
レントゲン検査、口腔内や顔面写真の撮影、型取りなど診断に必要な各種検査を行います。
※矯正治療開始前には必ず虫歯や歯周病のチェックを行い、治療が必要と判断された場合には矯正装置装着前にそちらの治療が必要となります。 -
③治療方針のご説明
精密検査の結果をもとに治療方針を詳しく説明していきます。
また、お見積り書をご提示いたしますので、すべての内容にご同意いただけましたら治療へと進みます。 -
④矯正治療開始
お子様の治療の場合は1〜3ヶ月に1回、成人の方の治療の場合は1ヶ月に1回通院していただき、矯正装置の調整を行います。
メインテナンスや抜歯など、必要に応じて一般歯科と連携しながら治療を進めていきます。 -
⑤保定期間
矯正治療終了後は後戻りを防ぐため、保定装置を用いて歯を安定させる保定期間になります。
保定期間は数ヶ月に1回咬み合わせや保定装置のチェックでご来院いただきます。
矯正治療に伴う一般的な副作用やリスクについて
- 個人差はありますが、3日から1週間程度矯正装置による不快感、痛み等があります。
- 装置がついている間は歯磨きが難しいため、むし歯や歯周病のリスクが高まります。適切なセルフケアおよび定期的なメンテナンスが必要となります。
- 歯の動き方には個人差がありますので、予想された治療期間が延長することがあります。
- 装置の使用状況、定期的な通院等、矯正治療には患者様の協力が非常に重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響することもあります。
- 顎の成長発育や、舌や口腔周囲筋の影響によって咬み合わせや歯並びが変化することがあります。
- 歯の移動に伴い、多少の歯根吸収や歯肉退縮が生じる場合があります。
- ごくまれに歯が骨と癒着して動かないことや、歯の神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 治療中に顎関節症状が出ることがあります。
- 矯正治療に伴って歯の幅を調整するために健全歯をわずかに削ったり、被せ物や詰め物のやり直しが必要となる場合があります。
- 矯正治療後に親知らずが生えてきたり、加齢や歯周病の進行によって咬み合わせや歯並びが変化することがあります。